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脳梗塞かも?救急専門医が教える「見逃してはいけない症状」と119番の目安
FASTでわかる危険なサインから、TIA(前触れ)・治療・予防までわかりやすく解説
「急にろれつが回らなくなった」
「片方の手に力が入らない」
「顔の片側が下がっている」
このような症状が突然現れた場合、脳梗塞の可能性があります。
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先の脳に十分な血液が届かなくなる病気です。脳梗塞では、できるだけ早く異変に気づき、治療につなげることが非常に重要です。
今回は救急専門医の立場から、「どんな症状なら脳梗塞を疑うのか」「いつ救急車を呼ぶべきか」「症状が治ったら大丈夫なのか」、そして「脳梗塞を予防するためにできること」について解説します。
🚨まずはここだけ!「顔・腕・ことば」がおかしければ119番
脳梗塞を疑うときに、ぜひ覚えておきたいのが「FAST」です。

F:Face(顔)
笑ったときに、片側の口角が下がっていないか?
A:Arm(腕)
両腕を前に上げたときに、片方の腕が下がってこないか?
S:Speech(ことば)
ろれつが回らない、言葉が出ない、うまく話せないといった症状がないか?
T:Time(時間)
ひとつでも当てはまれば、すぐに119番を。
「少し様子を見よう」と待たないことが大切です。
FASTだけじゃない!こんな症状にも注意
脳梗塞の症状はFASTだけではありません。
例えば、
- 急に片方の手足がしびれる
- 急に立てない、歩けない
- 急に強くふらつく
- 急に片方の目が見えなくなる
- 物が二重に見える
- 視野の一部が欠ける
- 相手の言っていることが理解できない
などの症状でも、脳卒中の可能性があります。
大切なポイントは、「突然起こった」ということです。
「さっきまで普通だったのに、突然おかしくなった」
このような場合には、脳卒中を疑う必要があります。

そもそも脳梗塞とは?
「脳卒中」には、大きく分けて、
脳梗塞:脳の血管が詰まる
脳出血:脳の血管が破れて出血する
くも膜下出血:主に脳動脈瘤などが破裂して出血する
という病気があります。
このうち脳梗塞は、血栓などによって脳の血管が詰まり、その先の脳への血流が低下することで、脳細胞が障害される病気です。
症状が治った!それでも安心できない「TIA」
脳梗塞と同じように、
手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、言葉が出ない、視覚の異常
などが突然現れたものの、その後症状が消えてしまうことがあります。
これを**一過性脳虚血発作(TIA)**といいます。
症状が治ると「もう大丈夫」と思ってしまいがちですが、TIAはその後に脳梗塞を起こす重要な警告サインです。
「治ったから明日病院へ」ではなく、速やかな評価が必要です。
なぜ脳梗塞はそんなに急ぐの?
脳梗塞では、脳の血管が詰まっている時間が長くなるほど、障害される脳組織が広がっていきます。
そのため、脳卒中診療では、
「Time is Brain(時は脳なり)」
という言葉があります。
「少し様子をみる」
「家族が帰ってくるまで待つ」
「明日の朝まで待つ」
のではなく、脳梗塞を疑ったら、できるだけ早く治療につなげることが重要です。
脳梗塞には「時間勝負」の治療があります
脳梗塞には、発症からの時間や画像所見などによって検討される急性期治療があります。
① 血栓を溶かす「rt-PA静注療法」
適応を満たす患者さんでは、原則として発症から4.5時間以内に行われる治療です。
② カテーテルで血栓を取り除く「機械的血栓回収療法」
脳の太い血管が詰まっている場合などに、カテーテルを使って血栓を取り除く治療です。
患者さんの状態や発症からの時間、画像検査などによって適応は異なります。
だからこそ、できるだけ早く治療可能な病院へ到着することが重要なのです。
脳梗塞を疑ったら「クリニックへ」ではなく119番
ここは特に強調したいポイントです。
脳梗塞を疑う症状が突然現れた場合には、当院への問い合わせや受診を待たず、119番へ連絡してください。
特に、
顔の片側が下がる
片方の手足が動かしにくい
ろれつが回らない、言葉が出ない
突然立てない、歩けない
突然の視覚異常
などがあれば、迅速な対応が必要です。
急性期の脳梗塞では、専門的な脳卒中診療を迅速に行える医療機関での評価・治療が必要になります。
脳梗塞は予防できる?
脳梗塞は突然発症しますが、その背景にはさまざまな危険因子があります。
代表的なのが、
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、心房細動などの不整脈、肥満、運動不足
です。
これらを日頃から適切に管理することが、脳梗塞の予防につながります。
「脈がバラバラ」はありませんか? ― 心房細動にも注意
脳梗塞の予防で、ぜひ知っておいていただきたいのが心房細動です。
心房細動では心臓の中に血栓ができ、それが血流に乗って脳へ飛ぶことで、脳梗塞を起こすことがあります。
「健診で不整脈を指摘された」
「心電図で心房細動と言われた」
「脈がバラバラに感じる」
「動悸を繰り返す」
といった場合には、放置せず一度ご相談ください。
脳梗塞を防ぐために、今日からできる5つのこと

① 血圧を測る
高血圧は脳卒中の重要な危険因子です。家庭での血圧測定を習慣にしましょう。
② 健診異常を放置しない
血糖・HbA1c・LDLコレステロールなどの異常を指摘された場合には、そのままにしないことが大切です。
③ 脈をチェックする
不整脈、特に心房細動を早く発見し、適切に治療することが脳梗塞予防につながります。
④ 禁煙する
喫煙は脳卒中の重要な危険因子のひとつです。
⑤ 適度な運動と体重管理
生活習慣を整え、高血圧・糖尿病・脂質異常症などを予防・管理しましょう。
まとめ ― 「顔・腕・ことば」がおかしい → 迷わず119番
脳梗塞は、早く気づき、早く治療につなげることが非常に重要な病気です。
覚えておきたいのが「FAST」。
Face:顔の片側がおかしい
Arm:片方の腕が上がらない
Speech:言葉がおかしい
Time:すぐに119番
そしてもうひとつ、
「症状が一度治っても安心しない」
ことも覚えておいてください。
一方で、脳梗塞を予防するためには、高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動などを日頃から適切に管理することが重要です。
みやこクリニックでは、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病、健診で指摘された異常、不整脈などについてもご相談いただけます。
この記事を書いた医師
宮国 道太郎 医師
日本救急医学会認定 救急科専門医
日本外科学会認定 外科専門医
日本医師会認定 健康スポーツ医


