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頭を打った!病院に行くべき?
救急専門医が教える「すぐ受診したい危険なサイン」
子どもが転んで頭をぶつけた。
公園の遊具から落ちた。
スポーツ中に頭を打った。
そんなとき、
「元気そうだけど病院に行った方がいい?」
「CTを撮った方がいい?」
「今夜は寝かせても大丈夫?」
と心配になる方も多いと思います。
頭を打った場合、その多くは軽症ですが、まれに頭蓋内出血や頭蓋骨骨折など、見逃してはいけないケガが隠れていることがあります。
今回は救急専門医の立場から、頭を打ったときに確認してほしいポイント、受診の目安、CT検査、スポーツでの脳振盪についてわかりやすく解説します。
🚨 まずはここだけ!
頭を打ったあと、こんな症状は要注意

① 意識がおかしい
呼びかけへの反応がおかしい、ぼーっとしている、意識を失った、起こしても反応が悪い。
② 何度も吐く
頭を打ったあとに嘔吐を繰り返す場合には注意が必要です。
③ 強い頭痛・だんだん悪化する頭痛
時間が経つにつれて頭痛が強くなってくる場合には、頭蓋内出血なども考える必要があります。
④ けいれん・手足の動きがおかしい
手足の麻痺やしびれ、歩き方がおかしい、言葉がうまく出ないなども危険なサインです。
⑤ 耳や鼻から血や透明な液が出る
頭蓋骨骨折などが隠れている可能性があります。
⑥ 強い衝撃で頭を打った
高い場所からの転落や交通事故など、強い衝撃が加わった場合には、症状が軽くても注意が必要です。
意識が悪い・けいれん・麻痺などがある場合は119番を
判断に迷う場合でも、症状が強い、あるいは急速に悪化している場合には救急要請を考えてください。
頭を打った直後、まず何を見る?
頭を打ったときは、まず落ち着いて本人の様子を確認します。
覚えておきたいのは、
「意識・吐く・頭痛・動き」
の4つです。
- 普段通り話せる?
- 呼びかけへの反応はいつも通り?
- 吐いていない?
- 頭痛が強くなっていない?
- 普通に歩ける?
- 手足はいつも通り動く?
- ぶつけた場所に大きな腫れや傷はない?
出血している場合には、清潔なガーゼなどを当てて圧迫します。
いわゆる「たんこぶ」程度であれば、タオル越しに冷やすことで痛みや腫れを和らげられることがあります。
元気そうなら、病院に行かなくてもいい?
頭を打ったからといって、全員がCT検査を受ける必要があるわけではありません。
診察では、
- 年齢
- どのように頭を打ったか
- 意識を失ったか
- 嘔吐があるか
- 頭痛の程度
- 神経症状がないか
- 服用している薬
などを総合的に評価します。
特に子どもの場合、CT検査では放射線被ばくを伴うため、「念のため全員CT」ではなく、診察によってCTが必要かどうかを判断することが大切です。
一方で、危険なサインがある場合には、画像検査を含めた迅速な評価が必要になります。
「頭を打ったら寝かせてはいけない」は本当?
これもよく聞かれる質問です。
頭を打ったからといって、絶対に寝かせてはいけないわけではありません。
普段眠る時間になり、頭を打ったあとも元気で普段と変わらない状態であれば、睡眠そのものを禁止する必要はありません。
重要なのは、
「寝ているか」ではなく「意識状態がおかしくないか」
ということです。
例えば、
- 異常に眠そう
- 起こしても反応が悪い
- 会話がおかしい
- 何度も吐く
- 頭痛がどんどん強くなる
などがある場合には、「眠いだけ」と考えず受診してください。
子どもが頭を打ったときは「いつもと違う」に注意
小さな子どもは、
「頭が痛い」
「気持ち悪い」
「ぼーっとする」
といった症状をうまく伝えられないことがあります。
そのため、
- いつもより機嫌が悪い
- 泣き止まない
- 元気がない
- 食べたり飲んだりしない
- 何度も吐く
- 歩き方がおかしい
- 遊ぼうとしない
- 呼びかけへの反応がいつもと違う
など、保護者から見た**「いつもと違う」**という変化も重要です。
「何となくいつもの様子と違う」と感じた場合も、無理に自宅だけで判断せず医療機関へ相談してください。

スポーツ中に頭を打ったら?「脳振盪」に注意
サッカー、ラグビー、柔道などのスポーツでは、頭への衝撃によって**脳振盪(のうしんとう)**を起こすことがあります。
脳振盪では、必ずしも意識を失うわけではありません。
例えば、
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- ぼーっとする
- 記憶があいまい
- 集中できない
- バランスがおかしい
などの症状がみられます。
「少し休んで良くなったから試合に戻る」はNGです。
脳振盪が疑われた選手は、その日の競技には復帰させないことが原則です。
症状が改善した後も、段階的に日常生活・運動へ戻していく必要があります。
特に子どもや学生のスポーツでは、本人が「大丈夫」「試合に出たい」と言っていても、周囲の大人が適切に判断することが重要です。

大人・高齢者では「血液をサラサラにする薬」に注意
高齢者では、転倒などの比較的軽い衝撃でも頭蓋内出血を起こすことがあります。
特に、
抗凝固薬や抗血小板薬など、いわゆる「血液をサラサラにする薬」
を服用している方では注意が必要です。
また、高齢者では頭を打った直後には元気でも、時間が経ってから症状が出ることがあります。
その代表が慢性硬膜下血腫です。
頭を打ってから数週間~数か月後に、
- 歩きにくくなった
- 転びやすくなった
- 元気がなくなった
- 物忘れや認知機能が急に悪くなった
- 手足が動かしにくい
などの症状が現れることがあります。
「そのとき元気だったから大丈夫」とは限りません。
最近頭を打ったことがあり、その後にこうした変化が出てきた場合には医療機関を受診してください。

CT検査はどんなときに必要?
頭を打って受診すると、
「CTを撮った方がいいですか?」
と聞かれることも多くあります。
CT検査では、頭蓋内出血や頭蓋骨骨折などを確認することができます。
ただし、すべての頭部外傷でCTを撮影するわけではありません。
年齢、受傷した状況、意識状態、嘔吐、頭痛、神経症状、服薬状況などから、頭蓋内出血などのリスクを評価したうえで必要性を判断します。
特に子どもでは、必要性と放射線被ばくの両方を考えて判断することが重要です。
みやこクリニックでは、必要に応じてCT検査が可能です
当院では、子どもから大人まで頭部外傷の診察を行っています。
診察の結果、必要と判断した場合には院内でCT検査を行うことが可能です。
一方、重症の頭部外傷が疑われる場合には、救急病院での迅速な検査・治療が必要になることがあります。
🚑 こんなときは119番
最後にもう一度確認しておきましょう。
✓ 意識がない・呼びかけへの反応がおかしい
✓ けいれんしている
✓ 手足の麻痺がある・言葉がおかしい
✓ 呼吸がおかしい
✓ 急速に状態が悪化している
このような場合には、自家用車で受診するのではなく119番への連絡を検討してください。
まとめ
頭を打ったら「その後の変化」を見ることが大切
頭を打った直後に元気でも、あとから症状が現れることがあります。
覚えておきたいのは、
「意識・吐く・頭痛・動き」
そして子どもでは、
「いつもと違う」
という保護者から見た変化も大切です。
また、スポーツ中の頭部外傷では脳振盪を見逃さず、疑わしい場合にはその日の競技へ復帰させないことも重要です。
みやこクリニックでは、子どもから大人まで頭部外傷の診察を行い、必要に応じてCT検査を行っています。
「病院に行った方がいいのかな?」と判断に迷う場合にも、ご相談ください。
この記事を書いた医師
宮国 道太郎 医師
日本救急医学会認定 救急科専門医
日本外科学会認定 外科専門医
日本医師会認定 健康スポーツ医
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。強い症状や緊急性が疑われる場合には、クリニックへの問い合わせを待たず、119番への連絡や救急医療機関の受診をご検討ください。


