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内臓脂肪はなぜ危険?40代から始める内臓脂肪対策
アンチエイジングシリーズ 第6回
~体重だけではわからない、お腹の脂肪と健康の関係~

「最近、お腹だけ出てきた」
「体重は変わらないのに、ズボンがきつくなった」
40代以降、そんな変化を感じる方は少なくありません。
その原因の一つが、内臓脂肪の増加です。
内臓脂肪が増えすぎると、糖尿病や高血圧、動脈硬化などのリスクが高まります。
しかし、内臓脂肪は食事や運動など、生活習慣の改善によって減らすことができます。
今回は、その理由と具体的な対策をご紹介します。
【1】内臓脂肪と皮下脂肪、何が違う?

身体につく脂肪には、大きく分けて2種類あります。
● 皮下脂肪
皮膚のすぐ下につく脂肪です。
お腹や太もも、お尻などにつきやすく、エネルギーの貯蔵や体温の保持に役立ちます。
● 内臓脂肪
お腹の中で、腸などの内臓の周囲につく脂肪です。
過剰に蓄積すると、生活習慣病と深く関係します。
注意したいのは、見た目や体重だけでは内臓脂肪の量を判断できないこと。
体重が標準範囲でも、内臓脂肪が多い方はいます。
【2】なぜ40代から増えやすいの?
年齢とともに、お腹まわりに脂肪がつきやすくなる背景には、いくつかの要因があります。
① 筋肉量・活動量の低下
身体を動かす機会が減ると、消費エネルギーが少なくなりやすくなります。
② 食べ過ぎ・飲酒
摂取エネルギーが消費量を上回る生活が続くと、脂肪が蓄積します。
③ 睡眠不足
食欲や代謝の調節に影響し、体重増加につながることがあります。
④ ホルモン環境の変化
加齢に伴うホルモンの変化も、脂肪のつき方に影響します。
こうした要因が重なることで、内臓脂肪が少しずつ増えていきます。
ただし、年齢だけで決まるわけではありません。
今からでも生活習慣を見直すことが大切です。
【3】脂肪も筋肉も、身体に信号を送っている

実は、脂肪は単なるエネルギーの貯蔵庫ではありません。
脂肪組織は「アディポカイン」という物質を分泌し、血糖や炎症、血管の働きなどに関係しています。
内臓脂肪が増えすぎると、その働きが変化し、インスリン抵抗性や慢性的な炎症に関わることがあります。
一方、筋肉も「マイオカイン」という物質を分泌します。
マイオカインは、代謝や炎症の調節などに関係しています。
つまり、脂肪も筋肉も、全身の健康に関わる大切な組織なのです。
重要なのは、余分な脂肪を減らしながら、筋肉を維持することです。
【4】内臓脂肪が増えると、どんな病気につながる?
内臓脂肪の過剰な蓄積は、さまざまな病気と関係します。
● 2型糖尿病
インスリンが効きにくくなり、血糖値が上がりやすくなります。
● 高血圧
代謝やホルモン調節の変化などが、血圧上昇に関係します。
● 脂質異常症
中性脂肪が増えたり、HDL(善玉)コレステロールが低下したりします。
● 脂肪肝(MASLD)
肝臓に脂肪が蓄積し、進行すると肝臓の炎症や線維化につながることがあります。
● 動脈硬化・心血管疾患
こうした代謝異常が重なると、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
内臓脂肪の管理は、将来の健康を守るための重要な対策です。
【5】内臓脂肪を減らす4つの習慣

内臓脂肪対策の基本は、食事・有酸素運動・筋トレ・睡眠です。
① 食事|まずは余分なエネルギーを減らす
甘い飲み物、間食、食べ過ぎ、過度な飲酒を見直しましょう。
極端な食事制限は筋肉量の減少につながることもあります。
たんぱく質や野菜を適切に取りながら、無理なく続けられる食事が基本です。
② 有酸素運動|少し息が上がる程度から
速歩き、自転車、水泳などがおすすめです。
よく耳にする「脂肪燃焼ゾーン」は、運動中に脂肪がエネルギーとして使われる割合が比較的高くなる運動強度を指します。
ただし、特定の心拍数で運動すれば最も体脂肪が減る、というわけではありません。
まずは、会話ができる程度の速歩きから。
運動習慣がない方は、1日10分の歩行を追加することから始めましょう。
③ 筋トレとNEAT|日常生活でも身体を動かす
筋トレは筋肉量や筋力の維持に役立ちます。
スクワットなどを、無理のない範囲で週2~3回取り入れましょう。
また、NEAT(非運動性活動熱産生)にも注目です。
NEATとは、日常生活の中で身体を動かすことによって消費されるエネルギーのことです。
例えば、
- 階段を使う
- 近い距離なら歩く
- 座りっぱなしを避ける
- 掃除や家事で身体を動かす
こうした小さな積み重ねも大切です。
なお、腹筋運動だけでお腹の脂肪を部分的に減らすことはできません。
④ 睡眠|体重管理の土台を整える
睡眠不足は食欲や代謝の調節に影響します。
食事と運動だけでなく、睡眠時間や睡眠の質も見直しましょう。
睡眠については、アンチエイジングシリーズ第5回でも解説しています。
【6】体重以外に、何をチェックすればいい?
内臓脂肪の影響を考える際は、体重だけでなく、次の項目も確認しましょう。
- 腹囲
- 血圧
- 血糖値・HbA1c
- 中性脂肪・コレステロール
- 肝機能
日本のメタボリックシンドロームの診断基準では、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上であることが判定条件の一つです。
ただし、腹囲だけで診断が決まるわけではありません。
健康診断の結果を総合的に評価することが大切です。
【7】こんな場合は医療機関へ相談を
- 健診で血糖・血圧・脂質・肝機能の異常を指摘された
- 体重は変わらないのに、腹囲が増えてきた
- 食事や運動を見直しても、体重管理が難しい
- 肥満に加えて、いびきや日中の強い眠気がある
生活習慣の改善だけでなく、医学的な評価や治療が必要な場合もあります。
【8】みやこクリニックでできること
みやこクリニックでは、健康診断で指摘された血糖・血圧・脂質・肝機能の異常などについて、ご相談いただけます。
生活習慣や検査結果を確認しながら、必要な検査や治療、食事・運動習慣の見直しについてご案内します。
「最近お腹が出てきた」「健診の数値が気になる」という方も、お気軽にご相談ください。
【まとめ】40代からは、体重より「身体の中身」に注目
内臓脂肪は、単なる見た目の問題ではありません。
糖尿病や動脈硬化など、将来の健康リスクと深く関係しています。
一方で、食事を見直し、身体を動かし、筋肉を維持することで改善を目指せます。
アンチエイジングとは、単に若く見せることではありません。
10年後、20年後も健康に動ける身体を維持すること。
その第一歩として、今日から内臓脂肪に目を向けてみませんか。
宮国 道太郎 医師
日本救急医学会認定 救急科専門医
日本外科学会認定 外科専門医
日本医師会認定 健康スポーツ医
日本抗加齢医学会


