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グルタチオン(白玉点滴)って何?

抗酸化から美肌まで。カラダを守る「グルタチオン」の働きを医師が解説
「白玉点滴って最近よく聞くけど、何が入っているの?」
「本当に肌が白くなるの?」
美容に興味のある方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
白玉点滴の代表的な成分が「グルタチオン」です。
でも実はグルタチオン、美容のために作られた特別な成分ではありません。
私たちのカラダの中にもともと存在し、酸化ストレスから身体を守る仕組みに関わる重要な物質です。
今回は「白玉点滴」という名前から少し離れて、まずはグルタチオンそのものを医学的に見てみましょう。
そもそも「酸化」って何?
私たちは毎日、酸素を使って生きています。
その過程では活性酸素などが生じますが、私たちの身体には、それに対抗するための仕組みも備わっています。
問題になるのは、
酸化する力 > 身体を守る力
となり、そのバランスが崩れた状態。
これを「酸化ストレス」と呼びます。
紫外線、喫煙、炎症など、さまざまな要因が酸化ストレスに関係します。
肌の老化を考えるうえでも、酸化ストレスは重要なテーマの一つです。

カラダには「抗酸化チーム」がいる!
身体の中では、一つの成分だけが酸化ストレスと戦っているわけではありません。
グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、さまざまな抗酸化酵素などが、それぞれの場所や役割で身体を守っています。
グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンという3つのアミノ酸からできた物質です。
細胞内に広く存在し、酸化ストレスから細胞を守る働きに関わっています。
いわば「カラダを守る抗酸化チーム」の一員です。
実は、ビタミンCともつながっています
前回のコラムでは、ビタミンCについてお話ししました。
身体の抗酸化システムは、それぞれの成分が完全に独立して働いているわけではありません。
ビタミンCやグルタチオンなど、さまざまな物質が互いに関係しながら働いています。
第2回の「ビタミンC」と、今回の「グルタチオン」。
実はカラダの中では、つながっているんです。
美容成分を一つずつ見るだけではなく、身体全体の仕組みとして考えてみると、少し見え方が変わってきます。
では、なぜグルタチオンが「美容」で注目されるの?
ここが気になるところですね。
大きく3つのポイントがあります。
① 抗酸化作用
グルタチオンは、体内の代表的な抗酸化物質の一つです。
肌も紫外線などによる酸化ストレスの影響を受けるため、抗酸化という観点から美容領域でも注目されています。
② メラニン生成との関係
グルタチオンは、肌の色に関係するメラニンが作られる過程にも関係することが研究されています。
メラニンには褐色〜黒色系の「ユーメラニン」と、黄〜赤色系の「フェオメラニン」があり、グルタチオンがこのメラニン生成経路に影響する可能性が報告されています。
③ 肌の色調への研究
グルタチオンの経口摂取については、肌の色調やメラニン指数の変化を認めた臨床研究が複数報告されています。
一方、静脈投与については研究数がまだ少ないのが現状です。
グルタチオンの抗酸化作用やメラニン生成への関わりから、美容への作用が期待されていますが、点滴によってどの程度の効果が得られるのか、どのような投与量や間隔が適しているのかについては、今後さらに研究が必要です。
こうしたグルタチオンの働きに着目して、美容領域で広まってきたのが、いわゆる「白玉点滴」です。

白玉点滴=肌を真っ白にする点滴?
グルタチオンは「肌を漂白する成分」ではありません。
抗酸化作用やメラニン生成との関係を背景として、肌の色調への作用が研究されている物質です。
実際に美容領域で効果を示した研究もありますが、特に静脈投与については、まだ臨床研究が十分とはいえません。
効果の感じ方にも個人差があります。
そのため、「白玉点滴をすれば必ず肌が白くなる」と考えるのではなく、グルタチオンがどのような物質なのか、どのような目的で取り入れるのかを理解したうえで検討することが大切です。
実は「美容だけ」の成分ではありません
グルタチオンは肌だけに存在するものではありません。
肝臓をはじめ、全身のさまざまな細胞に存在しています。
身体の中で生じる酸化ストレスから細胞を守るだけでなく、肝臓などで身体に入ったさまざまな物質を処理する仕組みにも関わっています。
日本では、グルタチオンを成分とする注射製剤は医薬品として以前から使用されています。
「白玉点滴」で初めてグルタチオンを知った方も多いかもしれませんが、実は美容ブームよりずっと前から、医学・生化学の世界で知られてきた物質なのです。
グルタチオンを知る「5つのポイント」
① 私たちの身体にもともと存在する
美容専用に作られた成分ではありません。
② 身体の抗酸化システムに関わる
酸化ストレスから細胞を守る働きに関わっています。
③ ビタミンCなどとも関連する
抗酸化物質は、それぞれが関係しながら働いています。
④ メラニン生成との関係が研究されている
美容領域で注目される理由の一つです。
⑤ 美容領域でも効果を示した研究がある
特に経口摂取では肌の色調への変化を示した臨床研究が複数あります。一方、静脈投与については研究数が少なく、今後さらに検討が必要です。
では、白玉点滴はどんな方が検討する?
白玉点滴は、誰にでも必要な治療というわけではありません。
例えば、
・肌のくすみや色調が気になる方
・紫外線を浴びる機会が多く、肌への影響が気になる方
・抗酸化という観点から美容や健康を考えたい方
・食事や睡眠、紫外線対策などに加えて、もう一歩美容ケアを取り入れたい方
・効果には個人差があることを理解したうえで、自費診療として継続的なケアを検討したい方
などにとって、選択肢の一つになる可能性があります。
大切なのは、白玉点滴だけに頼ることではありません。
紫外線対策、食事、睡眠、運動、禁煙。
まずは「肌と身体の土台」を整えること。
そのうえで、自分の目的や状態に応じて、美容医療やサプリメント、点滴などを上手に取り入れていくことが大切です。

美容と健康は、意外と近い
グルタチオンを「白くするための点滴」という視点だけではなく、「身体にもともと備わっている抗酸化システム」という視点から見てみる。
そうすると、美容と健康は意外と近いところにあることが分かってきます。
「流行っているから」ではなく、「自分には何が必要なのか」。
みやこクリニックでは、これからも医学的な視点から、美容と健康について分かりやすくお伝えしていきます。
この記事を書いた医師
宮国 道太郎 医師
日本救急医学会認定 救急科専門医
日本外科学会認定 外科専門医
日本医師会認定 健康スポーツ医
日本抗加齢医学会


