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【食事・栄養とアンチエイジング】
第3回 「何を食べればいい? ― 抗加齢医学から考える食事と栄養」
― 40代から意識したい、健康寿命を支える食べ方 ―
「アンチエイジングには、何を食べればいいですか?」
診療でもよく聞かれる質問です。
特別な食品やサプリメントを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、抗加齢医学でまず大切にしたいのは、毎日の食事そのものを整えることです。
今回は、40代から意識したい「健康寿命を支える食べ方」について、わかりやすく解説します。
「これを食べれば若返る」という食品はありません
健康に良いとされる食品はたくさんありますが、一つの食品だけで健康が決まるわけではありません。
大切なのは、「何を食べるか」だけでなく、食事全体の質とバランスを整え、それを続けることです。
そのヒントになるのが、和食と地中海食です。
魚、大豆、野菜、海藻、きのこなどを取り入れやすい和食。
魚、野菜、果物、豆類、全粒穀物、ナッツ、オリーブオイルなどを多く取り入れる地中海食。
共通しているのは、魚や植物性食品を積極的に取り入れ、食事全体の質を大切にすることです。
特別な「アンチエイジング食品」を探すより、毎日の食卓を少しずつ整えていきましょう。
※和食は健康的な食材を取り入れやすい一方、味噌汁、漬物、加工食品などによる塩分の摂りすぎには注意が必要です。

40代からは「タンパク質」を意識しよう
前回のコラムでは、筋肉を維持することの大切さについてお話ししました。
その筋肉をつくる材料となるのが、タンパク質です。
肉や魚だけでなく、
- 卵
- 納豆・豆腐などの大豆製品
- 牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
にもタンパク質が含まれています。
特に中高年以降では、体重を減らすことばかりに目を向けるのではなく、筋肉を維持するための栄養が不足していないかという視点も大切です。
「朝たん」を始めよう!
― 朝食にタンパク質をプラス ―
タンパク質というと、夕食の肉や魚をイメージしがちです。
しかし、意外とタンパク質が不足しやすいのが朝食です。
そこでおすすめしたいのが、
「朝たん」
= 朝食からタンパク質を摂る習慣
です。
「パンとコーヒーだけ」
「ご飯と味噌汁だけ」
という方は、まずタンパク質を1品プラスしてみましょう。
例えば…
ご飯 + 納豆・卵
パン + 卵・ヨーグルト
朝食 + 牛乳・豆乳
ご飯 + 焼き魚
など、難しく考える必要はありません。
大切なのは朝だけに大量に摂ることではなく、1日に必要なタンパク質を確保し、朝・昼・夕に分けて摂ることです。
まずは毎日の朝食を見直すことから始めてみましょう。
今日から「あさたん」、始めてみませんか?

筋トレとタンパク質は「セット」で
「もう年だから、筋トレをしても筋肉はつかない」
そう思っている方もいるかもしれません。
確かに年齢を重ねると、若い頃に比べて筋肉をつくる反応は低下する傾向があります。
しかし、高齢になっても筋肉は運動と栄養に反応します。
筋力トレーニングなどで筋肉に刺激を与え、十分なタンパク質やエネルギーを摂ることが大切です。
「筋トレ」+「タンパク質」
この2つをセットで考えましょう。
特に60〜70代では、単に「体重を減らす」ことだけを目標にするのではなく、筋肉をできるだけ維持することも健康寿命を考えるうえで重要です。
野菜・魚・食物繊維も忘れずに
アンチエイジングの食事は、タンパク質だけ摂ればよいわけではありません。
野菜、果物、魚、大豆、海藻、きのこ、豆類など、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
そして、ここで注目したいのが食物繊維です。
食物繊維は便通だけでなく、腸内細菌との関係でも注目されています。
私たちが食べたものは、自分自身の栄養になるだけではありません。
実は、腸内にいるたくさんの細菌の栄養にもなっています。
近年では、腸内細菌と代謝・免疫・脳・筋肉など、全身との関係についても研究が進んでいます。
サプリメントは食事を「補うもの」
ビタミンD、ビタミンC、亜鉛、鉄、CoQ10など、健康やアンチエイジングとの関連でさまざまな栄養素や成分が注目されています。
ただし、サプリメントは毎日の食事そのものに代わるものではありません。
「まず食事を整える。そのうえで必要なものを補う」
という順番を大切にしましょう。
今日から始めたい3つの食習慣
① 和食+地中海食をヒントに
魚・大豆・野菜などを中心に、いろいろな食品をバランスよく。
② 「朝たん」を始める
卵・納豆・ヨーグルトなど、朝食にタンパク質を1品プラス。
③ 筋トレ+タンパク質をセットに
運動だけで終わらず、筋肉の材料となる栄養もしっかり摂りましょう。
特別なことを一度だけするよりも、毎日の小さな習慣を続けることが大切です。
みやこクリニックでは、運動・栄養・生活習慣病などを含め、抗加齢医学の視点から、健康に年齢を重ねるための身体づくりを総合的にサポートしていきます。

次回
第4回「腸内細菌とアンチエイジング」
最近よく耳にする「腸活」。
腸内細菌は、腸だけではなく全身の健康とも関係しているのでしょうか?
次回は、腸内細菌と脳・免疫・代謝・筋肉などの関係について、抗加齢医学の視点からわかりやすく解説します。
この記事を書いた医師
宮国 道太郎 医師
医療法人みやこクリニック
日本救急医学会 救急科専門医
日本外科学会 外科専門医
日本医師会認定 健康スポーツ医
抗加齢医学、運動・スポーツ、メンズヘルスなどの視点を取り入れながら、健康寿命を意識した診療・情報発信に取り組んでいます。
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。腎機能低下などの持病がある方では、適切なタンパク質摂取量が異なる場合があります。食事療法については主治医にご相談ください。


