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COLUMN

― コラム ―

CATEGORY  |  アンチエイジング, 一般内科, 整形外科

【筋肉とアンチエイジング】

第2回 40代から始める「筋肉」のアンチエイジング

― 10年後も動ける身体をつくるために ―

「昔より階段がしんどくなった」
「何もないところでつまずくことが増えた」
「脚が細くなった気がする」
「健康診断は問題ないけれど、体力が落ちてきた」

こんな変化を感じていませんか?

40〜50代では、日常生活に困るほどではなくても、少しずつ身体の変化を感じ始める方が増えてきます。

抗加齢医学では、年齢を重ねてから対策するだけではなく、元気なうちから筋力や身体機能を維持していくことを大切にします。

今回は、健康寿命を考えるうえで重要な「筋肉」についてお話しします。


筋肉は年齢とともに変化します

筋肉量や筋力は、加齢や運動不足などによって徐々に低下していきます。

特に中高年以降は、

「体重は変わっていないから大丈夫」

とは限りません。

体重が同じでも、筋肉が減って脂肪が増えていることもあります。

筋肉は、歩く・立つといった動作だけでなく、糖代謝などにも関わっています。

つまり筋肉を維持することは、「動ける身体」を保つことに加えて、生活習慣病を考えるうえでも大切なのです。


アンチエイジングでは「下半身」を意識しよう

特に意識してほしいのが、脚・お尻などの下半身の筋肉です。

下半身の筋力は、

  • 歩く
  • 椅子から立ち上がる
  • 階段を上る
  • 買い物に行く
  • 旅行やスポーツを楽しむ

といった日常生活に直結しています。

10年後も旅行に行く。

趣味やスポーツを楽しむ。

自分の足で好きな場所へ出かける。

そのためにも、今から**「動ける下半身」**を維持していくことが大切です。


あなたの握力は何kg?

筋力を簡単に知る方法の一つが握力測定です。

握力は手の力だけではなく、全身の筋力を簡便に評価する指標としても利用されています。

サルコペニアの評価では、低筋力の目安として、

👨 男性 28kg未満

👩 女性 18kg未満

という基準があります。

ただし、これは「この数字以上なら筋力は十分」という意味ではありません。

年齢や体格、歩行能力、以前と比べて筋力が落ちていないかなども含めて考えることが大切です。

握力を測ったことがない方は、一度自分の数値を知ってみるのもよいでしょう。


筋肉は「見える化」してみよう

筋肉の状態を知る方法は、握力だけではありません。

みやこクリニックでは、InBody(体成分分析装置)を用いた身体測定も行っています。

体重だけでは分からない、

  • 筋肉量
  • 体脂肪量・体脂肪率
  • 部位別の筋肉量
  • 左右のバランス

などを確認することができます。

たとえば、体重が数年間ほとんど変わっていなくても、**「筋肉が減って、体脂肪が増えている」**ことがあります。

抗加齢医学では、単に「体重を減らす」ことだけを目標にするのではなく、筋肉をできるだけ維持しながら、健康的な身体をつくっていくことが大切です。

「体重」だけではなく、「身体の中身」を見る。

握力やInBodyなどを利用して、まずは今の自分の身体を知ることから始めてみましょう。


ウォーキングだけで十分?

「健康のために毎日歩いています」

これは、とても良い習慣です。

ウォーキングなどの有酸素運動には多くの健康上のメリットがあります。

一方で、筋肉や筋力を維持するためには、筋肉にある程度の負荷をかける運動も重要です。

そのため中高年では、

「歩く」+「筋力トレーニング」

を組み合わせることをおすすめします。

筋力トレーニングは、毎日行う必要はありません。

まずは週2回程度から、自分の体力に合わせて始めてみましょう。


今日からできる「下半身の筋トレ」

特別な器具がなくても、自宅で始めることができます。

① 椅子からの立ち上がり

椅子に座った状態から、ゆっくり立つ・座るを繰り返します。

② スクワット

椅子に腰掛けるようなイメージで、無理のない範囲で膝を曲げます。

③ かかと上げ

椅子や壁につかまりながら、かかとをゆっくり上げ下げします。

まずは10回程度から

痛みがある場合や、心臓・関節などに持病がある方は、無理をせず医師に相談してください。


40代からの「貯筋」

筋肉を鍛える目的は、筋肉を大きくすることだけではありません。

40代では将来の筋力低下に備える。
50代では運動習慣とともに代謝も意識する。
60代では筋力・身体機能をできるだけ維持する。
70代では転倒やフレイルを予防し、自立した生活につなげる。

目的は少しずつ変わりますが、共通しているのは、

「10年後も自分の足で動ける身体をつくること」。

これも、抗加齢医学が大切にしている考え方です。


まずは3つから始めてみましょう

① 自分の握力を知る
② ウォーキング+週2回程度の筋トレ
③ 筋肉をつくるための食事・タンパク質を意識する

運動だけでなく、筋肉を維持するためには栄養も重要です。

みやこクリニックでは、運動・栄養・生活習慣病などを含め、抗加齢医学の視点から「健康に年齢を重ねるための身体づくり」を総合的にサポートしていきます。


次回

第3回「何を食べればいい? ― 抗加齢医学から考える40代からの食事と栄養」

タンパク質はどのくらい必要?
魚や肉はどちらがいい?
サプリメントは必要?

次回は、健康寿命と食事・栄養について、抗加齢医学専門医の視点からわかりやすく解説します。


この記事を書いた医師

宮国 道太郎 医師
医療法人みやこクリニック

日本救急医学会 救急科専門医
日本外科学会 外科専門医

日本医師会認定 健康スポーツ医

抗加齢医学、運動・スポーツ、メンズヘルスなどの視点を取り入れながら、健康寿命を意識した診療・情報発信に取り組んでいます。

※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。年齢、持病、関節の状態などによって適切な運動量は異なります。

 

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