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ビタミンC、結局どう摂る?

食事・サプリ・点滴、それぞれの違いを医師がわかりやすく解説
「美容にはビタミンC」
これは、多くの方が一度は聞いたことがあると思います。
では実際、
「レモンを食べればいい?」
「サプリメントは飲んだ方がいい?」
「たくさん摂れば、その分きれいになる?」
「点滴にすると何が違う?」
と聞かれると、意外とよく分からないものです。
ビタミンCは確かに、皮膚や健康にとって大切な栄養素です。しかし、
「たくさん摂れば摂るほど美容にいい!」
というほど単純なものでもありません。
今回はビタミンCについて、食事・サプリメント・点滴の違いも含めて医学的に考えてみましょう。
まずはここだけ!ビタミンCの5つのポイント
① ビタミンCは身体に必要な栄養素
人間は体内でビタミンCを作れないため、食事などから摂取する必要があります。
② コラーゲンを作るためにも必要
ビタミンCは正常なコラーゲン合成に欠かせません。
③ 抗酸化作用をもつ
酸化ストレスから細胞を守る働きに関係しています。
④ 基本は食事から
野菜や果物など、さまざまな食品に含まれています。
⑤ 食事・サプリ・点滴は、それぞれ特徴が違う
「どれが一番」ではなく、目的や生活に合わせて考えることが大切です。
そもそも、ビタミンCは肌で何をしている?
ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつです。
身体の中ではさまざまな働きをしていますが、美容との関係で特に知っておきたいのが、
「コラーゲン」と「抗酸化」
です。
皮膚のハリや構造を支えるコラーゲン。その正常な合成にはビタミンCが必要です。
また、皮膚にはもともとビタミンCが存在し、紫外線などによって生じる酸化ストレスに対する抗酸化防御にも関係しています。
つまり、
ビタミンCは単なる「美白ビタミン」ではありません。
身体にとって必要な栄養素であり、健康な皮膚を維持するためにも重要な存在なのです。
① 食事から摂る
「ビタミンC=レモン」だけじゃない!
ビタミンCというとレモンのイメージが強いですが、実際にはさまざまな野菜や果物に含まれています。
例えば、
赤・黄ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちご、柑橘類
など。
そして食事の良いところは、ビタミンCだけを摂るわけではないことです。
野菜や果物からは、食物繊維やカリウム、その他のビタミンや植物由来成分なども一緒に摂取できます。
だからこそ、
ビタミンCも、まずは食事が基本。
「美容にいい食品をひとつだけ大量に食べる」のではなく、いろいろな食品をバランスよく食べることをおすすめします。
② サプリメントで摂る
食事だけでは難しいときの「補う」という選択肢
忙しくて食生活が乱れがちだったり、毎日十分な野菜や果物を摂ることが難しかったり。
そんなとき、サプリメントは一定量のビタミンCを手軽に補えるというメリットがあります。
ただし、ここで覚えておきたいポイントがあります。
「たくさん飲めば、その分すべて吸収される」わけではありません。
経口摂取したビタミンCは腸管から吸収されますが、吸収率は摂取量によって変化します。健康な人では、比較的少量〜中等量ではよく吸収されますが、摂取量が非常に多くなると吸収される割合は低下します。体内では吸収・組織への取り込み・腎臓からの排泄などによって濃度が調節されています。
でもこれは、
「多めに摂ることに意味がない」
という意味でもありません。
大切なのは、
高用量=そのまま全部吸収される、ではない。
だからこそ、量だけではなく“どう摂るか”も考える。
ということです。
サプリメントはあくまで食生活を補助する選択肢のひとつとして上手に利用しましょう。
③ 点滴では何が違う?
では、ビタミンCを点滴すると何が違うのでしょうか?
最も大きな違いは、
「消化管を通らない」
ことです。
食事やサプリメントは腸管から吸収されますが、点滴ではビタミンCを静脈内へ直接投与します。
そのため、経口摂取とは体内への入り方、つまり薬物動態が異なります。
研究でも、静脈投与では経口摂取より高い血中濃度に到達することが確認されています。
ただし、ここはとても重要です。
「血中濃度が高い」=「美容効果が高い」
とは限りません。
血液中の濃度が高くなることと、シミ・しわなどに対する美容効果が高くなることは、同じ意味ではありません。
美容目的のビタミンC点滴については、期待されている作用と、臨床的に十分確認されている効果を分けて考える必要があります。
点滴だから上、サプリだから下、という話ではないのです。

ところで「ビタミンCを塗る」のは?
ここも美容ではよく聞きますね。
ビタミンCを含む化粧品や外用製剤については、光老化や色素沈着などを対象に研究されています。
一部の臨床研究では、皮膚のしわや色調などの改善が報告されていますが、製剤の濃度や安定性、皮膚への浸透性などによって結果が変わる可能性があり、まだ十分な検討が必要な分野でもあります。
そしてもう一つ大切なのが、
ビタミンCを塗っていれば、日焼け止めはいらない?
これは違います。
前回のコラムでもお伝えした通り、光老化対策の基本は紫外線対策です。
ビタミンCは日焼け止めの代わりにはなりません。
「多ければ多いほどいい」わけではありません
ビタミンCは水溶性だから、
「余った分は尿から出るから、いくら摂っても大丈夫」
と思われることがあります。
これも少し注意が必要です。
高用量の経口ビタミンCでは、下痢・吐き気・腹痛などの消化器症状が起こることがあります。米国NIHでは成人の耐容上限量を1日2,000mgとしています。これは「2,000mgを超えれば毒になる」という境界線ではなく、一般集団で副作用リスクを考えるために設定された基準です。
持病がある方や治療中の方では、自己判断で大量に摂取する前に医師へ相談した方がよい場合もあります。
結局、ビタミンCはどう摂ればいい?
考え方はシンプルです。

🥗 食事
まずはここが基本。
野菜・果物を含むバランスのよい食事から。
💊 サプリメント
食生活や目的に応じて「補う」。
毎日の生活に取り入れやすいのがメリットです。
💧 点滴
経口摂取とは異なる投与方法。
目的を考えて選択しましょう。
つまり、
「どれが一番?」ではなく
「自分には何が必要?」
という考え方が大切です。
美容も、まずは身体の健康から
ビタミンCは確かに、皮膚にとって重要な栄養素です。
でも、
ビタミンCだけ摂っていれば肌が若返る。
点滴をすれば紫外線対策をしなくていい。
そんな魔法のようなものではありません。
紫外線対策、食事、睡眠、運動、禁煙。
第1回でお話しした「肌をつくる土台」を整えたうえで、必要に応じてサプリメントや点滴などを上手に取り入れていく。
「美容にいいらしい」から、「自分に必要か」で選ぶ。
そんな美容との付き合い方を、みやこクリニックでは大切にしたいと考えています。
次回は「白玉点滴」を医学的に考えます
最近、美容目的で耳にすることが増えた、
「グルタチオン(白玉点滴)」
そもそもグルタチオンとは何なのか?
なぜ「白玉」と呼ばれるようになったのか?
抗酸化作用とは?
本当に肌が白くなる?
どこまで医学的な根拠がある?
次回は、期待されている効果だけでなく、エビデンスの限界も含めて医師の視点から解説します。
この記事を書いた医師
宮国 道太郎 医師
日本救急医学会認定 救急科専門医
日本外科学会認定 外科専門医
日本医師会認定 健康スポーツ医
日本抗加齢医学会


